Permalink

off

書評をいただきました。「仙台ジャズノート」

Toshihide Doiさんより拙著「仙台ジャズノート」に書評をいただきました。いろんな成り行きでジャズ音楽に絞ったけれど、取材中、「どうしてジャズだけ」という、視線を感じていました。Doiさんの書評は、そんな気分をしっかり指摘してくれています。以下、書評全文を引用しましす。
●●●●●●
この欄を借りて友人が出した本を紹介させて……あれれ、すでにふたりに追い越されてしまっている。のろまですみません。でも、めげない。紹介文は書き上げてしまっていたのです。ほら「二度あることは三度ある」って言うし。
 この本の特徴は、仙台という一地方都市をステージにした「ローカルなジャズ」の情景を描いていることです。ローカルと言ったからって、卑下しているわけではありません。等身大なだけです。筆者自身が演奏者の端くれとしてかかわっている、世界の住人ひとりひとりを訪ねては、「ジャズとは何か」を問い続けます。プロ、アマチュアの隔たりもなく、世代も小学生から「長老」まで、楽しく息づいている姿を肩ひじを張らずに伝えてくれます。
 読み進めるうちに、気づくことがあります。仙台市内の場所、場所に楽器を手にしている笑顔が配置されています。あぁそうなのか。筆者はジャズの視点から仙台という街の地図を描いているのかもしれない、と。横に広がるとともに、街が生きてきた縦軸が、しっかりとした「背骨」になっています。この街が好きなんだな。
 となれば、どの地方都市でも「息づく地図」を作れるのではないか。ジャズでなくても、音楽でなくてもいいのです。絵画であれ、踊りであれ、さまざまなアートを視点に、装いにあふれた、誰もが生きている街の地図です。その「先例」として読むこともできるので、ぜひ手に取ってほしいです。
 「仙台ジャズノート」(金風舎)は、オンデマンド出版という形をとっています。書店には並びません。アマゾンに注文すると、送られてくるというシステムです。

Comments are closed.