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新聞社を離れて6カ月のメモ

40年に及ぶ組織内人間の環境を離れ、フリーの個人事業者になるための環境として一般社団法人という、枠組みを導入しました。もう6カ月が過ぎました。最初の1、2年はメーンのテーマであるメディア、ジャーナリズムについてあらためて取材し、考える期間として位置付けてあります。 非営利分野とメディアの関係を主要テーマに含めてあるので、非営利分野のリサーチも重要なステップになっています。

特定の新聞社から離れた立場で、見たり、考えたり、触ったりするメディア、ジャーナリズムの世界はかなり新鮮です。複雑でもありますが、組織内ジャーナリストのはしくれとして実感していた事柄が案外、どうでもいい価値に見えます。メーカーサイドの事情は理解できないわけでもないけれど、それはそちらで勝手にやってくれよな-といった感慨が毎日のように起きます。新聞やテレビを見るたびにそんな考えが浮かぶのです。ほんの数カ月前には、自分もその「事情」の中に身を置いていたはずなのに、現金なものです。

立場を少しずらしただけで見える世界がこんなに違うことに、組織内人間だった自分はどの程度気付いていたか。実に怪しい。仕事柄、新聞社のネット部門を担っていたので、組織内ではほとんど極小野党的な立場にいました。新聞を軸とする新聞社像しか描けない上司や同僚の存在は、それだけでストレスの原因となりました。もちろん向こうもそうだったと思うので、なるべく「お互い様」ということにしてきたわけですが、外に出てみると、「お互い様」なんてものは、組織内のつじつま合わせにすぎなかったことがよく分かるのです。

組織内のみんなが大好きな「新聞」を、必要とされるメディアとして育てるためにも「お互い様」論理を一刻も早く排除し、少なくとも3年先を見据えたデジタル&アナログメディアの開発に着手する必要があります。

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