シンポジウム「ネット社会における新聞と放送の役割」(日本新聞協会など主催)が2015年10月19日、東京・日比谷のプレスセンターで開かれました。時間の都合で半分しか聞けなかったのですが、インターネットと共存の道を探り、報道の使命をしっかり果たそうというメッセージが伝わってきました。
司会進行はNHK報道局記者主幹の大越健介さん。ゲストは株式会社ドワンゴ代表取締役会長の川上量生さん、TBSテレビ執行役員・「報道特集」キャスター、金平茂紀さん、毎日新聞社デジタル報道センター編集委員、元村有希子さんの3人でした。
ネット草創期から地方新聞社のネット部門を担当し、この種の議論の場をずいぶん見てきましたが、この日の議論のような前向きな空気は初めてです。長い間、デジタルへの警戒心にとらわれてきた報道界も、いよいよ覚醒するタイミングなのでしょうか。
それにしても少し残念なのは、地方新聞社や地方のテレビ局の状況を伝える要素がほとんどなかったことです。在京の新聞社やテレビ局の議論だけで「ネット社会における報道の役割」を語れるとは思わない方がいい。それとも、地方新聞社や地方テレビ局には、取り上げるべき事例や考え方はもう存在しない?