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地域で活動する「スタッフライター」への期待/「ザ・ページ」の意味を考える(3)

このシリーズの最終回「『情報はただ』はやはり異様/新たなビジネスモデルで転換を」が掲載されています。ここからご覧ください。

<ここから取材メモ>

「ザ・ページ」が追い求める「地方発の全国ニュース」を開拓するため、東北では、現在、2人のスタッフライターが地元に在住しながら取材活動に取り組んでいます。このおふたりについては後日紹介することもあると思いますが、実際にお話をうかがってみると、地域で報道活動に携わる意義やその範囲、可能性、手法について、非常に柔軟な考えを持っています。

二人は、東日本大震災を契機に、「現場主義」を掲げるネットメディアのブランドを立ち上げました。同時に「ザ・ページ」のスタッフライターとしても活動しています。東北地方を強く意識しながら自らのメディアブランドを掲げ、取材活動の成果を「ザ・ページ」のような他の媒体に配信しているわけです。「現場主義」は本来、ジャーナリズムの鉄則でもあります。その「現場主義」をあえて掲げ「ネットメディア」としての可能性を追求している姿から、新しいメディアモデルが生まれそうな予感もしているところです。

<取材メモここまで>

奥村:仙台で活動しているスタッフライターさんにお願いしているのは、地域の話で、全国に通用するものを書いてほしいということです。スタッフライターの取材と、他の地方紙さんがやっている取材は、まったく違っています。われわれは県庁にべったり張り付いて県の動向を把握するわけではなく、地域のコミュニティーに投下する記事を書いているわけでもありません。ネタに関して言えば、地方新聞社とのかぶりはあまりないような気がしています。

スタッフライターたちは地域で働いていたり、地域のニュースを話題にしたりしますが、あくまで「ザ・ページ」=ワードリーフの意思として取り組んでもらっています。ですから、必ずしも地域のネタだけを書いているわけでもありません。昨日は話題になった米国映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に関する記事が仙台発で載りました。

●地域にいて全国を相手にするジャーナリズム

奥村:地域で取材するライターが地域の情報だけを届けなければならない理由はまったくありません。地域にいても全国のニュースや国際ニュースを書くことはができます。広告を売り上げの柱にしている現状からして、われわれもページビューに頼らざるを得ません。

そうなると、スタッフライターが地域の小さいコミュニティーのためだけのニュースを書いていては、全体として売り上げに結びつきません。ライター個人としても収入は増えないので恐らく食べていけないでしょう。

たとえばの話ですが、500人のコミュニティーだけのために書いて、一人から10円いただいても5000円にしかなりません。それと同じことで、地域で活動していても常に全国、世界を意識して仕事をするという、割り切りが必要です。

いやいやわたしはメディアを本業としているのではなく、地域のためにノンプロフィット(非営利)でやっていきます、という人たちもいます。あるいはどこまでもライターとして身を立てていきたいという人たちも地域にはいるでしょう。

地域の情報発信しつつ、全国のニュースも取り扱っていくような、そういう、二足のわらじ的な立場をどう作れるかです。地域のネタを取り上げるけれども、それだけではなく、たとえば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を全国の人に読んでもらえるような記事として仕上げる-。ページビューで収入が決まる仕事を商売にしている以上、ライターの実入りもそれだけ大きくなるはず、です。

明確にこれをする、というものよりも、むしろ事業体が持続することの方が大事だと思っています。持続的に発展することしか考えていません。その意味で、何年後に、何カ所でどうする、といったことよりは、地域で活動するスタッフライターに発表の舞台を提供する形で、みなさんを支援していきたいと思っています。
(次回に続きます)

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